ダルシーのにっき: 冬場のお風呂の追い炊きは損?

2010年12月22日水曜日

冬場のお風呂の追い炊きは損?


先日、検索サイトの記事を見ていてふと思った。

「お風呂の追いだきは熱効率がよくなく、200リットルの浴槽で1℃温度を上げるのに約3.2円(東京ガス調べ)。お風呂のある場所やバスタブの種類にもよりますが、冬はお湯が冷えるので15度近くまで下がったとして、40度にするには3.2円×(40-15)=80円かかります」
うーたらかーたら文章が続き・・・

冬場のお風呂の追い炊きはコストが掛かるのでNGです。

と締めくくられていた。


そう?


素朴な疑問・・・条件設定がこれだけでNGって断言しちゃって良いもんですかね(^_^;)
まぁ、記事に書いてないだけで根拠はあるんでしょうけどね。


とりあえず、あまりの端折りっぷりなので気になりまして。文句言う筋合いじゃないので自分で検証してみました。


まず、理科のお話。
皆さん熱量計算って覚えてます?私はこの手の計算が大っ嫌いでした(^_^;)
一緒に振り返ることにしましょう。

1ccの水を1℃上げるのに必要な熱量は1cal → 何で?って聞かないで。これが大前提なので。

はい、それではちゃっちゃと次の前提へ。

今度は給湯器の種類です。

お湯を作り出すための給湯器の主な熱源には、ガス、石油、電気の3種類があり、給湯器の種類もこの熱源によって異なります。
その給湯器も、『風呂だけ』、『給湯だけ』、『風呂と給湯』、『風呂・給湯・暖房ができる多機能型』などの種類があります。

今日、話題にしているのはガス給湯器を冬場に追い炊きするのはコスト的にNGか?という話題ですので、熱源はガス式、給湯器の種類はもっとも一般的な「風呂と給湯」(もちろん追い炊きが出来るタイプ)とします。

ガス給湯器の風呂の追い炊き機能も、細かく分けようと思えば更に細かくなりますが、ここでは「従来型」として考えます。

最後に、水の温度。東京都水道局によると水道水の水温は平均16.6℃。2月でも8.5℃あります。今回の計算ではこの平均水温16℃を使用します。


で、ここからいよいよ計算に入りますが・・・


ガス給湯器を提供しているメーカーさんもいっぱいあるので、とりあえず今回はYahoo!で「ガス給湯器」で検索したときトップ表示されたノーリツさんを使ってみました(^^)
機種にもよりますが、従来型のものの風呂の熱効率は大体82.1%前後。計算しにくいので約82%とします。

水温16℃の水180Lを41℃のお湯にするのに必要な熱量は

(41℃-16℃)×180L=4500kcal

ガス消費量=必要熱量÷熱効率 ですから・・・

4500(kcal)÷0.82=5487.8kcal

東京ガスの場合、1㎥あたり約10989.4Kcalなので、

5487.8÷10989.4=0.49㎥

現在、1㎥あたり約145円なので、145×0.49=約71円。

プロパンなら1㎥あたり約24000Kcalなので、

5487.8÷24000=0.23㎥

プロパンガスの料金は会社よってバラバラなので、現在の東京都心の平均値315円で計算すると、315×0.23=約72円

プロパンも都市ガスも大体同じですね。


さて、これを湯張りから行なった場合、給湯の熱効率は大体95%前後なので・・・

4500(kcal)÷0.95=4736.8kcal

4736.8÷10989.4=0.43㎥

0.43×145=約62円

よって、ガス代だけなら入れ直しのほうが約10円お得。

でも、湯張りからする場合は当然水道料金がかかりますので、これも足してみましょう。

東京都水道局の場合、1㎥につき約23円なので180Lの水の場合・・・

23×0.18=4.14→約4円

机上理論だけで計算した場合、日単位で考えれば湯張りのほうが約6円得です(^^)

でもね、ガス給湯器で風呂の熱効率が給湯並みの効率を備えたものなんて、今いっぱい出てるんです。
賃貸などに住んでいて自分では給湯器を替える事の出来ない人でないと、この理屈は当てはまりません。

性能の良い給湯器や保温能力のある浴槽など、能力の高いアイテムを1つでも持っている場合、この節約術はただの机上の空論。

やっぱり言い切っちゃうのはどうかと思うな(^_^;)

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